今までにも先島の防衛について何度か記事に書いているので、この話題を外す訳にはいきません。
与那国島に陸自部隊を配置することが検討されています。
「与那国に陸自部隊の配置検討、防衛相が表明」(産経新聞09年7月5日)
防衛省を訪れた与那国町長と防衛省が会談したり、逆に与那国島を防衛省が訪問したりと、にわかに活発な動きが出ています。
一部に反対はあるものの、地元の大勢も誘致に積極的で、次期中期防衛力整備計画(2010~14年度)に反映され、実現することはほぼ間違いなさそうです。
部隊としては、今年度末末に第1混成団から格上げされて編成される15旅団隷下の部隊として、部隊規模数十人から百人弱、沿岸監視を任務とする部隊となるようです。
産経の記事では、「レーダーサイトを設置する」なんていう?な記述も見られますが、所謂レーダーサイトではなく、おそらく沿岸監視レーダーを配備することを言っているのでしょう。
装備は、部隊規模も考慮すると、85式地上レーダー装置 JTPS-P11でしょうか。(他にも地上レーダ装置2号 JPPS-P10などの可能性があります。)
よほどのマニアでないと知らない器材ですが、不審船事案以降、一気に注目され、演習でも主役級の活躍をするようになったモノです。
公開している小説中でも、登場させてます。
あるいは、常時監視を行うつもりなら、固定の沿岸監視レーダーを設置するかもしれません。(産経のレーダーサイトとはそういう意味か?)
常時監視をするのでなければ、部隊配置をする意義は、軍事的には増援受け入れ部隊としての意味合いが強いと言えます。
そして、それ以上に先島(と尖閣)にかける日本の政治的意思の表明という性格が強いでしょう。
宮古島に部隊配置をするというウワサもありましたが、一挙に最西端の与那国に部隊を配備することになりそうです。
純粋に軍事的には、沖縄本島、久米島以西には、宮古島のレーダーサイトと与那国の沿岸監視部隊ということになり、監視網という点では良いものの、ちょっとアンバランス過ぎるような気がします。
今後はやはり宮古島に普通科部隊、下地島に空自飛行隊が欲しいところです。
さて、今回の報道で、一つうれしい点があります。
それは、沖縄の地元紙が反対キャンペーンをほぼ諦めていると思われる点です。
今回の関連報道では、沖縄タイムスにしても、琉球新報にしても、非常に小さな扱いしかしていません。
やはり、地元の大勢が誘致に賛成しているという点が大きいのでしょう。
この動きは、今後の宮古島、下地島への自衛隊部隊配置にも大きな影響を及ぼして行くことは間違いないでしょう。
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与那国に陸自部隊
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